前回投稿のアインシュタインのイラストの掲載誌が届きました(日経サイエンス2019年2月号「特集:量子もつれ実証」)。Macで描いている時の見た通りの色で印刷されるのがベストなんですが、印刷では多少ずれることが多いです。色が浅いと台無しだし、濃過ぎるとそれはそれで問題で、ちょうど良い感じにするのは意外と難しいのです。これまでのイラストの出方のズレを見越して、あらかじめ調整して納品するのですが、今回はすごく良い発色になりました。良かった良かった。


 次号の日経サイエンスで扉イラストを描かせていただきました。
「アインシュタインの夢ついえるー測っていない値は実在しない」谷村省吾(名古屋大学)



 量子論で「観測していない物理量は確定されない」という理論から、これに疑問を持っていたアインシュタインは『君は、君が見上げているときだけ月が存在していると本当に信じるのか?』と言ったといいます。最近の実験でやはり量子論の言っていることが正しかったということが完全に証明されたということです。つまりアインシュタインの話でいうと「見ていない時には月が存在しているかどうか確定されない」ということ。そんな話をイラストにしてみました。

 連載コーナーの「パズルの国のアリス」でもイラスト描いています。次号ではトランプ王国の博覧会会場を描きました。

 最近、新しい人と名刺を交換することも少なくなりました。手持ちの名刺が残り少なくなっているのは薄々気にしてはいたのですが「まぁいいか」と放っているうちに、先日、いよいよ残りがなくなり打合せの時にお渡しできなくなったこと二回。これはまずいと急いで作りました。

 名刺はいつも活版印刷で作っているのですが、注文するのも刷り上がるのもちょっと時間がかかります。今回は急ぎということもあり中継ぎで普通の印刷で作りました。とは言えこちらの印刷だと、デザイン自由で好きなフォントも使えるし、用紙の選択肢も豊富です。名前の書体はこのブログでも何回か取り上げたドラマ「陸王」のロゴで使われていたフォントー正調明朝体「金陵」を使ってみました。普通の明朝体よりも筆書っぽいです。紙はほんの少しゴワっとした風合いの吉祥紙(厚さ170kg)。注文して3日で送られてきました。価格は活版印刷の半分です。これはこれで満足してしまうのですが、活版印刷は活版なりの価値があるので、そのうちにまた活版の方も作ろう。100枚はもうなかなか無くならないのですが・・・


 毎年この時期に使用契約をしているフォント会社「モリサワ」で新書体の追加更新が行われます。昨年はドラマ「陸王」のロゴで使われているフォント「きざはし金陵」がちょうど放送のタイミングで追加されたということを書きました。こちら

 今年も同じ開発メーカー(朗文堂)からの提供書体「かもめ龍爪」が追加されました(上の画像)。きざはし金陵と同じように「かもめ」というかなと「龍爪(りゅうそう)」という中国の古い刊行物から起こした漢字の組フォント「かもめ龍爪」です。今回はこの書体が何かで使われているのを見つけた!ということでは無いのですが、新しく使えるようになったこの書体、名刺の名前なんかに使うと合うかもしれません。


 仕事にももっとVRを利用できるんじゃないのか。僕の仕事だとこんなふうにVRヘッドセットを付けて、レイアウトページが空中に浮かんでいて、手のジェスチャーで色々操作できるのです。Mac+Adobeではなく、是非ソニーに頑張ってもらってプレステでできるようにしてもらいたい。

 僕がやっているような紙の媒体のデザインくらいではそんなにVRになっているメリットも無いかもしれないけれど、例えば3Dモデリングなんかだと、実際に目の前に立体物があるかのように見えている状態でポリゴンを押したり引っぱったりして編集するのはとても直感的な作業になると思うのだけど、そんなソフトとシステムってまだないのかな?