デザインのお仕事で、マンションの修繕の広告企画があって、いつものようにこれといったビジュアル材料がなかったので自分で作りました。もう何度か仕事でも使っているのですが、今回もサイコロ積み木CGソフトのmagicaVoxelでマンション(修繕中と修繕後)を作りました(上画像)。修繕中の網シートの再現ですが、最近このソフトで使えるようになった「cloud」マテリアルを使いました。透け感が出るマテリアルです。

 これはもう刷り上がっていて、今日発売の雑誌なんですが、実際の誌面では見開き全体に右ページに修繕中(黄緑バック)、左ページに修繕後(紺バック)というデザインにしました。


 カバーをデザインさせていただいた本が明日2月29日に発売になります。
大学の自治と学問の自由」寄川条路編著(晃洋書房)。


 ↑こういう感じのカバー(この画像はCGです)。今回の帯の紙はOKブリザードといういわゆるハトロン紙にしてみました。透け感があって、片面だけツルツルした紙で、包装紙や紙袋にも使われる紙です。なかなか良い感じになりました。

 カバーのイラストは2D(平面)っぽく見えますが、実は前の「雪化粧の杉」記事でも使っている3Dのソフトで作りました。ぐるっと別角度からみたのがこれです↓


 空の色をピンクに設定して真正面からレンダリングして、カバーイラストを制作しました。俯瞰して見るとしょぼいのですが、実際に見える部分だけちゃんと作ればいい、見えない部分はどうでもいいということでこれでいいのです。

 サイコロ積み木型3Dお絵描きソフトMagicaVoxelで作りました。木とか有機的な形を作るのは面倒なのですが、こういう林は前から作ってみたかったのです。使用ソフトのMagicaVoxelは、このブログで何度か作ったものをあげていますが、どんどん機能が強化されていて、表現力が上がっていまして、思うような作品を作ることができるようになってきました。例えば「自然な太陽光の表現」。〝雪の上に落ちた木の影〟の青味が掛かった感じはこの自然光の再現力のおかげです。あとは、以前ブログに書いた「透過光が不可」だった件も改良してくれて透過光が表現できるようになりました。


 3Dだと、このように1個作ればいろいろな視点で見られるのもいいです。どういう風に作ると杉らしく見えるか、枝のつき方などを工夫しながら作りました。木によって枝のつき方は本当にいろいろで面白いです。

 話題の「覚え違いタイトル」の本をCGで作ってみました。

『とんでもなくクリスタル』村上春樹は実際には無い本ですので、初期村上春樹本にありそうな感じのイラストを描き、装丁をデザインしてみました。

 一方、『桐島、部活やめるってよ』は本物のカバーデザイン(左)とタイトルだけ〝覚え間違い〟のものに変えてみたもの(右)を並べました。間違って覚えてしまったタイトルなのでおかしいのはおかしいのですが、最初からこういうタイトルだったらこれはこれで成立しているのではないかと思った。

 元の記事はこちら「とんでもなくクリスタル」「おい桐島、お前部活やめるのか?」福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が面白い – Togetter

 SF作品の設定で僕がことにわくわくするのが「スケールが極端にでかい(小さい)」というものです。小松左京の作品でもよく使われます。例えば「高さ200km、直径1000kmのリング状物体が本州の上に落ちてきた」(『物体O』)とか、「長さ二光年の筒状物体SS」(『虚無回廊』)とか。新海誠のアニメ作品「雲のむこう、約束の場所」では北海道の真ん中に先端が見えないほど天まで伸びる白い塔が建っています。このような極端なスケールのものが突如として現れる感じがすごく惹かれます。
 そんなこともあり、ふと「富士山がとてつもなく高かったら」という設定を思いつきました。10倍の高さだと3万8000mくらい。40km弱か。
 CGで作ってみよう!と思いつき、まずは等高線のデータを作れる埼玉大学の研究室のウェブページへ。そこで等高線データをゲットし(↓左)、さらにIllustratorで扱えるようにデータ変換をしてくれる海外のウェブページで変換。次にIllustratorで等高線ごとに濃淡を指定していきます。これでグレースケールのハイトマップというものができます(↓右)。ハイトマップは高い方を白くしなければならなかったので、後で白黒を反転しました。


 ハイトマップをPhotoshopで開いて富士山の部分だけ真っ白までのグラデーションになるように調節。その他の部分はほとんど黒っぽくなるように濃度を調節します。そして、ハイトマップをブロックを積み上げたような立体にしてくれる3DソフトMagicaVoxel Viewerで読込んで立体化しました。
 高さ方向のスケールは適当で厳密ではないのですが、見た感じ富士山の高さは40〜50kmくらいありそうです。こんな設定で何かおもしろいSFは書けるでしょうか?