今日は猫の日なので猫の観測問題。人が読もうとしたら必ず上に乗ってくる猫。「人が観る」ことで猫の状態が決定します。これはシュレディンガーの猫(人が観るまでは猫が生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせ。観た瞬間にどちらかの状態に移行するという量子力学の思考実験)と同じ趣きがあります。
 猫の方もこちらを観察しているのでしょう。では観るのがAIロボットでも猫は乗ってくるでしょうか?


 実は日経サイエンスの次の4月号(2月25日発刊)で特集と表紙のイラストを描かせていただきました。その特集が「量子力学の観測問題」の特集で、人が観る代わりにAIが観てもいいのか?「観測とは何?」「もしAIが観測できるとしたら思考実験を実際に実験できる・・」というテーマでした。
 こちら↓の表紙イラストです。

日経サイエンス 2025年4月号表紙
📗2月25日発売(火)!日経サイエンス2025年4月号
👁️特集:量子力学100年の難問 観測問題】
登場から100年たった今も残る量子の宿題に,AIを用いた新たな実験で光を当て,量子の不思議を解剖する。
日経サイエンスのページ


 一番上のアニメーションはそのパロディで思いついたもの。猫の不思議な習性の問題を考えたのです。


 暑いので風を通そうと、玄関を少し開けておいたせいか、ゴキブリが一匹入ってきたんです。ホウキを持ってまずはあっち(左の方)へ追いやろうとしたのですが、ゴキブリはホウキの方へ突進して、まんまとすり抜け反対へ。そして本棚の下へ入ってしまいました。

 これ、まえもクモの時に書いたんですが(こちらの投稿)昆虫ってこうなんですよね。

〝「敵の誘導はワナに違いないから逆に行け!」という本能みたいなものがあるのでしょうか?〟

 今月の日経サイエンスの特集は「昆虫の知能」で、すごくタイムリーでした。記事の中でもまさに今回の件に関わる記述があって、コオロギでは(ゴキブリもほぼコオロギだから同じと思っていい)「迫ってくる物体の姿が視界の中で一定以上の大きさを占めると逃げ出す」というのです。昆虫の複眼はあまり視力は良くなく、ぼんやりとしか見えないらしいが、何かが迫ってきたら逃避行動を起こすようです。僕が知りたいのは奴らはその迫ってくるものの方へ向かって逃げる(というか向かってくる)逃避行動を取ることです。このあたり、本能的にプログラムされている行動なのか、それとも状況を判断して考えて取った行動なのか、興味があるなー。


 特集では他に「昆虫には感情があるか」という研究が載っていて、「たぶんある」という話です。この辺も興味深い。ハチが報酬もないのに玉を転がしに行くけど、これは楽しいからやっている、すなわち「遊び」なんじゃない?とか。そう考えるとかわいい。しかし、ゴキブリに感情があると想像するとそれはちょっと不気味です。


 英語ニュースのサイトを見ていたら、たまたま今年8月に発表されたおもしろい論文を目にしました。

Increase of tear volume in dogs after reunion with owners is mediated by oxytocin.

ー飼い主との再会後、犬の涙量の増加はオキシトシンによってもたらされるー

 涙目の犬はその昔某消費者金融のCMのチワワでも有名でしたが、実際に犬も嬉しくて涙目になるそうです。悲し涙じゃなくてうれし涙も!?というのが驚き。

 この研究は日本の麻布大学獣医学部の菊水健史教授らの研究です。

 菊水教授が飼っているスタンダードプードルが子犬を産み、その母犬が子犬を世話してる時に涙目になっているに気がついたそうです。そして子育てで愛情ホルモンのオキシトシンが増えたことによって涙量が増えるのでは?と考えたそうです。

 研究では飼主と数時間離ればなれにして、再会した時に犬の目に紙片をあてて涙を採取。その量を測ると、比較対象の親しくない人の場合よりも涙の量が著しく増えたということです。

以前かいた記事「カーリング 前に書いたストーンの回転と曲がりの話の続き」では、カーリングのストーンの回転方向と曲がっていく方向が通常考えられるのと逆になっているけれど、どうしてそうなるのか物理的な解明ができていないという話を書きました。こんな身近でしかも単純そうな現象が「謎」だというのがワクワクするので興味があったのです。
 ところが、先日日本の立教大学の先生がこれを解明したという論文を発表したのです。↓


 ”謎が解明された”ということなので、これは読まないわけにはいかない。公開されている論文を早速読んでみたのですが、正直よくわかりませんでした💧。詳細論文は英語で、そちらもあたってみましたが、肝の部分(反時計回転の場合ストーン左のほうが摩擦が強い(遅い方が摩擦が強いため))が理解できませんでした。残念ですが仕方ないです。

参考までに回転と曲がる方向のアニメをもう一度貼っておきます。


 2つ前の投稿で「SpaceX社による民間人だけの宇宙旅行Inspiration4が意外と地球から出ていない。すれすれの所を跳んでる印象」と書きました。
 その後たまたま先日テレビで「気象衛星の軌道は地上約36,000km」と聴いて驚きました。Inspiration4と比べたらべらぼうに高いじゃん!と思って作ってみたのが上の図です。全然レベルが違う。ただし人工衛星の方に人は乗っていないんだけど。あと、月までの距離感もこの感じで地球を30個並べたところだということがわかって、なんかつかめた感じがします。

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