前に「認知特性というものがあって、人が世界をとらえるとらえ方って結構人それぞれ違うのだ」という話を書きました。こちらの記事です「文字式認知」

 以前の記事にも書いた通り、人の認知特性は「視覚優位」「言語優位」「聴覚優位」の大きく3つに分類されていて、グラデーションはあるけれど、人それぞれ3つのタイプのうちどれかに分かれるということです。僕自身は完全に「視覚優位」だと思っています。しかしよく考えると、この3つが同等に扱われるのは少し違和感があって、「言語優位」というのは他の2つとはレベルが異なると思うのです。「視覚」と「聴覚」は字のごとく「感覚」であるのに対して、「言語」は人が生み出した符号で、認知のレベルでは一段解釈が上っている。図にするとこういうこと↓


 「言語優位」の特性を持った人はおそらく幼少期から本を読むのが好きだったりして、物事を言語に変換する変換辞書が頭の中で編纂されていて(上の図の赤い矢印)、さらにクイックレスポンスで意識する間もなく文字変換がされる高機能辞書なんだと想像します。そのために文字(言語)を介した方が理解がしやすいという認知になっているのだと思います。

 さて、それでこの前イラストの仕事をしていてふと上のようなことを考えたのですが、僕のようなイラストレーターなんかはまずほぼ全員「視覚優位」の人だろうと思います。とにかく「絵で見えた方がわかりやすいでしょ!」と。文章を解釈して、これをどう絵にすればパッとわかるかと考えてイラストにしています。まさにこのブログ記事にもわかりやすいようにと図やイラストを付けているわけです。ところが、世の中には「言語優位」という人がいるんだ!ということに気がついたのです。絵の方がみんなわかりやすいよねと思っていたけど、「いや文字の方がスッと入ってくる」という人もいる。これはイラストというものの前提を揺がすものです。

 せっかく中継に入ったのに(文字から絵に)、あさっての方向に投げてる感じ・・・。
 たぶん言語優位の人はそんなに多くはないんだろうな…と予想するのでそれが救いではあります。

認知特性が人それぞれならば・・・を前提に” への2件のフィードバック

  1. 言語優位のひとって絵が苦手なだけじゃないかなぁ… 自由に絵が描けたらもっと世の中は楽しくなるのかも。商店街の看板が全部絵になったり。蕎麦屋といえばこのイメージみたいな… あ、蕎麦の看板って読めないのが多いから、あれって文字だけど絵になってるよね。識字率が低かったことを考えたら、世の中の文字も絵とか図案として機能しているのかも。

    1. 言語優位。
      僕も「そんな人いる?」と半信半疑だったんですが、
      この話題の発端になったのが、まさに何人かで話している時に、
      そのうちの一人のひとが完全な言語優位の人だったことなんです。
      「見たものもいったん文字にして認識している」んだって。

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